1 滑稽都名所 清水寺

絵師:一鶯斎芳梅
制作年:安政後期(1857~60)頃
作品番号:arcUP3437

 上方の絵師、芳梅による名所絵のシリーズで、同じシリーズに「滑稽浪花名所」があり、50枚で完結しているが、「滑稽都名所」は、現在、十八枚が知られるのみで、全体像が明らかでない。江戸で歌川国芳の弟子となった芳梅は、安政4年(1857)に大坂に戻り、名所絵を手懸けたが、滑稽な要素を組み込むことでこれまでとは違った名所絵シリーズとなった。本作は、清水の舞台から飛び降りるという成語をそのまま絵にしたもので、満開の桜の中を、舞台から思い切って飛び降りた娘の勇敢な姿がりりしくもありおかしい。