C4 光る刀.

作品名:「仮名手本忠臣蔵 五段目」
出版:慶応元年(1865)頃 大阪・ 富士屋政七
絵師:一養亭芳滝
判型:中判錦絵
所蔵:立命館ARC(arcBK02-0168_06).

斧定九郎が与市兵衛を殺そうとする場面。早替りをすることもあるこの場面だが、ここでは二人を対峙させて描いている。その理由は定九郎の持つ刀にあると思われる。

この刀の絵具には錫が使われており、あまり酸化せず今日でも光を反射させて輝く。場面全体が暗い中で定九郎の白い肌は大変よく目立つが、この作品を光に反射させると刀にも視線が集まる。実際の舞台上でもそのように見えるはずで、この作品は観客からの見え方をうまく表現しているといえる。(堀)

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