●能楽年表 【昭和期】
戦前（1930年）～戦時（1945年）の能楽界における出来事まとめた能楽年表。
一九三〇（昭和五年） 九皐会舞台、矢来に開場。
一九三一（〃 六年） 東京音楽学校に能楽科を開設。
一九三二（〃 七年） 改革派力士、相撲協会脱退。満州国、建国宣言。
一九三三（〃 八年） 梅若万三郎、梅若流から観世流へ復帰。
一九三四（〃 九年） 右翼妨害で「蝉丸」上演中止。
一九三五（〃 十年） 海外紹介用映画「葵上」制作。
一九三六（〃十一年） 金剛右京死去に際し、坂戸金剛断絶宣言。京都の金剛巌が家元継承。
一九三七（〃十二年） 帝国芸術院、発足。梅若万三郎・宝生新、芸術院会員。
一九三八（〃十三年） 「東京金剛会」第一回公演。
一九三九（〃十四年） 警視庁「大原御幸」の上演を禁止。
一九四〇（〃十五年） 当局の勧告を容れ、皇室関係の演目の詞章を改訂。
野上豊一郎らによる「能楽鑑賞の会」、第一回公演。
高浜虚子作「時宗」初演。主演、桜間金太郎（弓川）。
一九四一（〃十六年） 長く断絶の大蔵流宗家を再興。大蔵弥太郎（弥右衛門）、二四世を嗣ぐ。
忠霊顕彰会委嘱により、浅見真健作新作能「忠霊」初演。
太平洋戦争始まる。
一九四二（〃十七年） 梅若実、帝国劇場で日数能を公演。
高浜虚子作「義経」初演。主演、観世銕之丞（華雪）。
一九四三（〃十八年） 土岐善麿作「無殿」「青衣女人」初演。主演、喜多実。
山脇元康、引退。山脇保之（和泉元秀）、家元となる。
一九四四（〃十九年） 能楽関係の出版社が合同出資して、能楽出版社発足。
一九四五（〃二十年） 東京大空襲。
東京の能楽堂は、染井・多摩川、杉並のほか全滅。
社団法人能楽協会設立。
八月、染井で「戦力能」を開催。
日本敗戦。