老女形

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ふけおやま


総合


歌舞伎

文楽人形の中年の女のかしら。「年増」ともいわれる。 男の「文七」と並ぶ立女形で実役のかしらであり、二十代の若い「中年増」と三十から四十歳位の「大年増」の二種類がある。眉は剃りあとのある青眉で、歯はお歯黒に染めてあり、目は深い情愛をたたえていて品がよく、良妻賢母の感じである。 時代物では「伽羅先代萩」の政岡や「妹背山婦女庭訓」の山の段の定高など、世話物では「壺坂観音霊験記」のお里や「心中天網島」のおさんなど、髪や衣裳を変えて広くつかわれる。塗色は白、眠り眼で、口許に口針という針がついていて、泣く時袖や手拭をひっかけて口にくわえているように見せる。