離解を理解しよう!
和紙が一枚あるとします。
「この紙の繊維を一本いっぽんバラバラにしてください」と言われたら
どうしますか?
ピンセットで繊維を一本ずつ取り出して、「○億本ありました」!って
数える時間があればいいですが、そうもいきません。
ところが、簡単に一本一本にできるんですね~
それが「離解」です。
版本を半丁ずつ2つに分けます。
2つのビーカーにそれぞれ1ℓの水(水道水)を入れます。
右のビーカーには水酸化ナトリウムを加えたもので、アルカリ性を示します。
1時間半後、ミキサーに移し、攪拌します。
ミキサーを45カウント回した後。随分様子が違います。
水(左)のほうは、繊維がまだ固まりになっています。
水酸化ナトリウム水溶液(右)のほうは、繊維が大分バラバラのようです。
←水
←水酸化ナトリウム水溶液。
ドロドロしています。
ネリが入っているみたい。
紙を一定量の水に投入して攪拌し、繊維をバラバラにするのが離解。
紙漉きの逆の工程ですね!
これを漉くと、漉き返し紙になります。
昔の漉き返しは、
水に浸け置いた古紙を叩く方法と灰汁で煮沸する方法があったようですが、
原理は前者が上の実験の左で、後者が右と同じです。
「薄墨紙」と言われていたのがこれを見ると、その名の通りだなと思います。
また、ムラになっていることから「水雲紙」と言われていたそうですが、
水だけだとムラになるんだなということが、これを見るとよくわかります。
こんなになりました。