私たちは、コロタイプと呼ばれる印刷技法を用いて古文書や美術品の複製を作り、その保存と研究に役立てています。コロタイプとは、150年前にフランスで発明された精巧なモノクロ写真印画技法で、大判サイズのネガフィルムやガラス板とゼラチンから成る版を使用します。そしてコロタイプの最大の特徴は、一般の印刷にあるドットを使わずに、ゼラチンの皺によって濃淡表現する極めて原本に近い再現能力にあります。今回のシンポジウムでは、アナログの極みである職人の手わざ「コロタイプ」を紹介させていただくとともに、現在私たちが取り組んでいるコロタイプとデジタル技術との融合をご紹介し、新しいコロタイプの可能性を探りたいと思っています。
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