B4.2 夜桜を写す.

作品名:「京坂名所図絵 」「京都平野神社ヨサクラ之図」
絵師:野村芳国〈2〉
判型:大判/錦絵(横)
出版:明治18年(1885) 池田房治郎
所蔵:立命館ARC(arcUP7602)

夜明りに照らし出された桜を描いた本作も興味深い仕上りになっている。野村芳国は、浮世絵師から、新しい視覚的メディアを駆使していく表現者として興味深い活動をしている。大坂に住む叔父の初代芳国に育てられたが、京都に移住し、芝居絵の看板絵を描き始め、また「都をどり」の舞台背景を担当した。明治20年(1887)年代には、新京極のパノラマ館の絵も描いたが、日清戦争が終結すると、今度は、ルミエール兄弟が発明したシネマトグラフを稲畑勝太郎がフランスから持ち帰り、その興行を担当した。