B4.1 金閣の輝き.

作品名:「京坂名所図絵 」「京都洛西金閣寺之図」
絵師:野村芳国〈2〉
判型:大判錦絵(横)
出版:明治18年(1885) 池田房治郎
所蔵:立命館ARC(arcUP7601)

大阪の職業絵師に頼っていた上方浮世絵界には、この頃になってようやく京都に拠点を絵師が現れる。二代芳国による本シリーズは、膠を表面に塗ることで光沢を出させた独特の表現になっているが、いずれも光をいかに表現するかに腐心する浮世絵師の一つの工夫である。本作品では、金色の金閣寺の輝きが実現できたものかどうか。現在では、膠は艶を失っており、池の面に写る姿は心許無い。
なお、光を表現する光線画は、東京では清親がよく知られているが、それを上方では、やはり二代貞信がいち早く取り入れ、作品を残している。(a)

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