B5.6 三代貞信の継承.

作品名:「玩辞楼十二曲の内」「紙屋治兵衛 中村雁治郎」
絵師:貞信〈3〉(小信〈3〉)
判型:大判錦絵
出版:昭和8年(1933) 村井和本店
所蔵:立命館ARC(arcUP8147)

二代貞信は、明治末年で一旦隠居するが、その後も、作品は残しており、とくに南木芳太郎が発刊した雑誌「上方」には、息子の三代小信(三代目貞信)とともに健筆を奮っている。
本図は、三代目を継ぐことになる息子の三代小信が描いた初代中村鴈治郞の紙治である。鴈治郞は、このあと昭和10年(1935)に没しているから最晩年の姿であるが、70歳を越えたこの大スターの若々しく描いている。
なお、長谷川貞信の画系は、現在も活躍中の貞信(本名笑子)まで五代を数える。(あ)