C3-1 女英雄の粧.. 『女武勇粧競』絵師:月岡雪鼎 判型:大本 全3巻1冊第2巻出版年:宝暦7年(1757)所蔵:大英博物館 作品番号:1915,0823,0.57. 【解説】 月岡雪鼎の手による『女武勇粧競』とは江戸中期に出版された女性の「英雄」を取上げた列伝絵本で、古代から江戸時代までの女英雄が描かれている。本展覧会でもとりあげる巴や静はもちろんのこと、『太平記』からは伊賀局などの女性が取り上げられている。本展覧会の趣旨とよく似た考え方で編集されたものといえよう。各巻の冒頭の目録には、女性の名だけではなく、それぞれの女性に対して簡単な紹介が付されているのが特徴である。 この武者絵本の中で楠木室が良妻賢母と一人として紹介されており、正行の自害を止めた場面が紹介されている。目録の紹介文には、正行を諫める久子のことばには「あなたの父親の首を送ってきたのは、高氏方の情であるようにみせかけ、実は、私たちの気持ちを挫けさせようとするはかりごとである」と諭したとあり、久子を戦時下における智謀の妻と位置づけていることが如実である。(a.) 続きを読む ≫ 【目次翻刻】正成湊川に討死の後 尊氏其首を本国に送る 長子帯刀正行悲観のあまり自殺せんとす 母是をとゞめ夫の首を送ルは是情に似て 実は味方の気をとりひしく謀成よしをこま/゙\と語り 子に勇義を示す ≪ 続きを隠す 投稿日:2017年12月 4日 by 8P カテゴリ: C 太平記の女たち,C3 楠木久子 [編集]