B5-1 堀河夜討伝説と静御前

「堀川夜合戦」
絵師:勝川春亭 判型:大判錦絵3枚続
出版:文政12年(1829)
所蔵:舞鶴市糸井文庫 作品番号:06ニ13.

【解説】
京都六条堀河の源義経の館での戦闘の様子を描いた3枚組の作品である。文治元年(1185年)10月17日に起こったとされている事件を題材とした本作では、静御前のほかに源義経や武蔵坊弁慶、攻め入る土佐坊昌俊の様子などが描かれている。
義経を討つため鎌倉より上洛した土佐坊昌俊は、詰問に対し敵意のない旨を誓うも、同日夜に堀河の館に夜襲を仕掛けた。昌俊の来襲を予想し警戒していた静は昌俊の動向を探らせ、その手勢が押し寄せたことを知るやいなや、酒に酔って眠っていた義経に鎧を投げかけ昌俊が攻め入ってきたことを知らせた。このような気丈な振る舞いを表すように、本作において静御前は鎧を身に着け薙刀を持って前線で戦う勇ましい様子で描かれている。 (川)