B2-07 怪童力士鬼若力之助

年代:嘉永3年(1850)11月
所蔵:小島貞二コレクション
資料no:kojSP03-073

 嘉永3年(1850)3月場所を最後に横綱秀ノ山が引退して寂しくなった土俵に花を添えるために怪童力士鬼若力之助が登場した。『武江年表』の嘉永3年の項には「〇上総国より鬼若力之助といへる男童、冬角力の時土俵入をなす(八歳にして丈四尺、目方十八貫目)」とある。鬼若力之助は上総国(千葉県)武射郡戸田村の生まれで、当年8歳で体重が18貫(約67.5㎏)あった。鬼若は鬼勝力弥、大童子銀太夫といった怪童力士と共に土俵入を行ったが、それも嘉永7年(1854)2月までで、一人鬼若は同年11月場所から西序二段12枚目に名前が移った。鬼若は本格的に力士として再デビューしたのである。その後地道に出世して明治5年(1872)になり新入幕を果たした。その後長く幕内で活躍し師匠名勝ノ浦を継いで相撲を取りながら部屋経営も行った。引退したのは明治16年(1883)で41歳になっていた。8歳から相撲界に身を置いて33年間の現役生活であった。

関連記事
  • C3 怪童力士大童山文五郎登場

    C3 怪童力士大童山文五郎登場

    年代:寛政7年(1795)3...