0.3 本サイトの構成

 前述のように多くのジャンルのものがあるが、それらのうちから、①幕末期の歴史書、②草双紙、③絵本と戯作、④狂歌と狂詩、⑤浄瑠璃、⑥歌舞伎関係の6部門を選んで、それぞれを1つ章とする。各章毎に4~5点を選んでその解説を行うとともに、その画像の一部を掲載する。

掲載する資料の選択には、当文庫にしかないと思われるものを選ぶということがあるが、情報を得ることが難しい。また、翻刻が活字になっているものを選択ということもある。活字になっているということは、その作品が注目されているということであり、その原本を提供できることは意味のあることであると思う。

 「幕末期の歴史書」は、比較的比較的よく知られている事件のものを、冊子から3点、叢書から2点を選んだ。いずれも写本であり、他に同じものはないようである。

 「草双紙」には、赤本・黒本青本・黄表紙・合巻がある。赤本は1点のみであり、黒本青本は、9点であるが、完全なものは2点であるので、そのうちの1点を選んだ。黄表紙は39点であるが、それらなかから翻刻があるものにした。合巻は66点であるが、1点の冊数が多いものが多い。そのなかで、1冊のものにした。

 「絵本と戯作」には、絵本(48)・洒落本(20)・滑稽本(22)・読本(24)がある。かっこ内の数字は、その点数である。絵本は多くの解説書が出版されている「徒然草」にした。洒落本・滑稽本・読本は、翻刻のあるものを選んだ。

 「狂歌と狂詩」に関し、歌舞伎関係以外では狂歌のものが最も多い。冊子が293点で,これ以外に一紙ものがある。狂歌の冊子としては、一人の作家の作品を集めたもの、多くの作家の作品を1首づつ集めたもの等があるが、これらを1点ずつ採用した。これらの他に狂歌と狂文が掲載されているものを加えた。これらの他に、狂歌合の引札等の一紙ものがあるが、別の機会に調べることにする。狂詩は、最も有名なものとした。

 「浄瑠璃」の本には丸本と床本があるが、当文庫のものは、ほとんどが丸本である。そのなかで比較的ポピュラーな演目で、翻刻が出版されているものを選んだ。

 「歌舞伎関係」として、役者評判記(38)・せりふ正本(101)・おうむ石(426)・絵本番付(654)・絵尽し(333)のなかから各1点を選んだ。この他に、歌舞伎一般(59)・脚本(22)・辻番付(274)・役割番付(596)・見立(31)がある。これらについては、本サイトでは割愛する。

  書名のあとに、簡単な書誌データと翻刻の所在を示す。「翻刻」の引用文献については、「注」ではなく、「翻刻」と書いたあとに示す。

 掲載した作品ごとに、1枚の画像を掲載する。画像は、その作品の全部を撮影されたものの一部である。書名の次に資料番号とその画像が全体の何番目かを示す。画像をクリックすると「中井文庫日本古典籍閲覧システム」の当該が表示され、全丁を閲覧することができる。

2022.1.14 中井陽一