歌舞伎関係の出版物として、役者評判記、せりふ正本、おうむ石および番付があり、番付には絵本番付と絵尽しおよび役割番付と辻番付がある。役割番付と辻番付は一紙物で、合わせて870点あり、これらの他に,『歌舞伎年代記』（１）等の歌舞伎に関する一般の古典籍、脚本、見立などがある。これらについては本章では割愛し、役者評判記、せりふ正本、おうむ石、絵本番付、絵尽しのみを取り上げることにする。なお、これらの参考書として、『江戸の演劇書』（２）がある。