2.0 はじめに

 草双紙として、赤本・黒本青本・黄表紙・合巻があるが、これらは、江戸で刊行されたものである。成立時期は明確ではないが、赤本が寛文期(1661~1672)、黒本青本が享保期(1716~1736)、黄表紙が安永4(1745)年、合巻は文化4・5(1807・8)年とされている。当文庫の点数は赤本1、黒本青本9、黄表紙 39、合巻 66である。

 当文庫には、浮世草子等の上方の古典籍はなく、上方のものは歌舞伎関係だけである。東京で蒐集したためとも考えられるが、その理由は分からない。