伝統産業を守る人(98-2)

「京都ニュース 伝統産業を守る人 京都市広報課」京都とともに生きてきた、西陣織と友禅。それは、人の心を豊かにしてくれる。500年、数多い人の力で、西陣織は支えられてきた。表彰されたヤギトラゾウ(?)さんもその1人。手織りの帯を手掛けて50年。西陣織古来の手法に草木染の感覚を織り込んで、ヤギさん独特の帯地を作り上げた。無心に糸を走らせる手、機を踏む足。額の1本1本の皺には、伝統が生きている。手織りでしか出ないその味が、人間を感じさせ、人々に喜ばれる美しさを支えている。手描き友禅も、京都ならではの産業である。物心もつくかつかない8つのときから60年。この道で生きてきた、マエハラトシオ(?)さん。墨絵の味を染めに取り入れ、認められた。草花模様を描けば他の追随を許さないマエハラさんの筆先には、長い年月生きてきた伝統の重さと輝きがある。こうした基盤の上に、西陣織や友禅は、京都の産業として大きく伸びようとしている。それを担うのは若い人たち。ヤギさんやマエハラさんの芸術的な表現を、近代システムの中で活かし、育んでいくのは、現代に生きる私たちの務めと言える。

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