第二室戸台風(9月16日)(54-5)

「京都1961年 第二室戸台風 京都市広報課」9月16日朝、四国・室戸岬に上陸した第二室戸台風は、かつての室戸、枕崎台風に次いで、史上3番目の大型台風。この日の午後には近畿一帯を襲って、各地にその無惨な爪痕を残しました。京都市災害対策本部も非常態勢を敷き、次々と送り込まれる被害状況に即応して、緊急対策に大活躍。京都地方気象台の風速計は、瞬間最大風速34.2メートルを記録。不安におびえる人たちは、続々、付近の学校に避難を開始しました。市内のうち、特に被害のひどかった右京区嵯峨付近をはじめ、いたるところに民家の全壊・半壊が相次ぎ、生き埋めとなった人たちの救出作業が行われました。2時間余り市内を荒れに荒れ狂い、猛威を振るったこのマンモス台風も、幸い、あまり雨を伴わなかったため、一番恐れられていた水による被害を見ないで済んだのは不幸中の幸いでしたが、京都市内の被害は、家屋の全壊156戸、半壊1674戸、浸水165戸、そのほか重要文化財、学校、庁舎、街路樹なども痛手を受け、被害総額はおよそ17億円に達しました。京都市では、これらの被害者に早速見舞金を送ったほか、税金の減免を図り、また中小企業者の復興資金の融資、住宅復興資金の貸し付けなど、復旧に努力しました。ようやく希望を取り戻した人たちの明るい槌音が、今日も秋空にこだましていきます。

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