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「京都ニュース より豊かな市民生活を 描かれた長期開発計画案 京都市広報課」ダイナミックに伸びる新しい道路。しかし、市内の大部分の道路は、昔ながらの細いものです。そこへ輪をかけて、車のラッシュ、人のラッシュで、いたるところで交通麻痺が発生。また、煤煙、騒音、空気や河川の汚れなどの公害が、市民生活を脅かしています。市では、これらの問題を解決し、より豊かな市民生活を築くための長期開発計画案をまとめ、審議会に検討を依頼しました。では、その計画とは、どんなものなのでしょう。中央に、都心となる軸上の業務商業地区。その周りに、住宅と商業の混合地区。市の西部と南部には工業地区を。その外側には、住宅地区があるといった構想です。この計画は、昭和55年の京都を目標として描かれたもので、北部は保存、南部に人口100万の経済力豊かな都市を形成しようというものです。市街地の中小企業を集め、工業団地を造成。南部には、中央市場、トラックターミナルなどを含めた流通センターも設ける計画です。快適な生活の基盤となる住宅問題については、1世帯1住宅を目指して大ニュータウンを造成。今後、公営・公団・民営を合わせて25万戸を建設。京都を新しい文化創造の中心にしようと、日本文化館や国際会館第2会議場の建設も考えられています。道路計画については、五条通を横、堀川通を縦の中央軸として、都心環状線、内環状線をめぐらし、また、市内を通過するだけの車を外へ捌く、2本の外環状線を造成。市民の足、市電・市バスも、大量輸送機関として生まれ変わることが要求されています。井上市長も陣頭に立って、実地視察。北山から宇治まで縦に貫く線、山科から西大路まで横に貫く線、都心から、山科・伏見・桂をぐるっと回る環状線など、5本の地下鉄またはモノレールの新設も計画。この計画で最も苦心が払われているのは、保存と開発の問題です。貴重な文化遺産や風土を壊すことなく開発を進めることに工夫が凝らされているのです。私たちの将来の生活に直接関係あるこの計画を十分理解し、自分の手で明日の京都を築くのだという自覚を持ちたいものです。
より豊かな市民生活を 描かれた長期開発計画案(83-4)