よるの裏方さん(77-4)

「京都ニュース よるの裏方さん 京都市広報課」今年で10年目を迎えた京響巡回コンサート。常任指揮者、森正さんが自ら指揮します。午後9時、音楽会は終了。でも、これからが出番だという人たちがあります。文化観光局の係員が、椅子や楽器の後片付け。中でも最大の難物は、音響効果をよくするために今年初めて登場した、鉄骨の野外ステージ。華やかな音楽会の陰に、こんな夜の裏方さんがあるのです。 えー、ただいま停車中の電車は、11時37分発車、烏丸車庫行き。最終車でございます。ご乗車の方はお急ぎを願います。 終電車が通り過ぎるのを待って仕事にかかる、軌道工事の人たち。傷んだレールの取り換え、路面の整備など、一杯機嫌の人たちを横目に、工事はほとんど夜中ばかり。一番電車までには、どうしても仕上げなければなりません。年々驚くほど増えていくゴミ。おかげで清掃工場も、24時間のフル運転。猫の手も借りたいところへ、ガスライターのボンベやスプレー缶の爆発事故が続出。今年すでに二十数人が大けが。スプレー缶には必ず穴を開けてから捨てましょう。市民の水を確保する浄水場。ここでも24時間勤務の人々があります。漏水検査班の仕事は、街が寝静まった真夜中から始まります。水道管が破れて、せっかくの水が地中に漏れてはいないか、真剣な点検が続けられます。最新式の電波探知機も登場。怪しい箇所はマンホールに入って調べます。午前4時、消防局の心臓部、指令室では、一瞬の油断も禁物。市内10ヵ所の望楼でも、徹夜の監視が行われています。市民の安らかな眠りを守り、連続10年火災減少の快記録に挑む消防の裏方さん。望楼勤務の人たちに、やがてお日様が微笑みかけてきます。5時6分、一番電車の音で、街は深い眠りから覚めます。夜の裏方さんたちの願いを込めて、今日もまた、130万市民の新しい1日が始まるのです。