チンチン電車さようなら(7月31日、北野線)(54-1)

「京都1961年 チンチン電車さようなら 京都市広報課」明治・大正・昭和の3代にわたって走り続けた日本で一番古い電車、北野線が、とうとう7月31日限りで姿を消すことになり、引退を5日後に控えた26日には、明治28年開通した当時の姿に復元して、昔を偲ばせました。その頃は、客席や運転台にガラス窓がなかったので、雨が降るとカッパ姿。こうしたスタイルをカメラに収めようと、ゴムホースでインスタントの雨を降らせるやら、8ミリ会も大わらわ。昔そのままに、山高帽、紋付き袴や八の字ひげにサーベルを下げたお巡りさんなど、当時の姿には京都ベレー会(?)の連中が熱演し、懐かしい情緒を漂わせました。いよいよお別れの31日には、66年の寿命を全うした老電車のお別れ会が、北野神社前で開かれました。高山市長も感慨無量の趣で、心からお別れの挨拶を述べた後、長年にわたってこのチンチン電車と苦楽を共にしてきた人たちの表彰がありました。続いて、華やかに装いを凝らした8台の電車が、消防音楽隊の「蛍の光」に送られて、花電車パレード。沿道には、「さようなら、長い間ご苦労さん」と別れを惜しむ市民の人垣が両側をうずめ尽くして、老友の最後(最期?)を見送りました。

バナー70.jpg