京響新指揮者P・カウフマンさん(54-4)
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「京都1961年 京響新指揮者にカウフマン氏 京都市広報課」京響の育ての親、カール・チェリウスさんに代わってタクトを振ることになったハンス・ヨアヒム・カウフマンさんが、9月2日午後、第一つばめで入洛しました。すらりとした長身に、いかにも芸術家らしい風貌でホームに降り立ったカウフマンさんは、出迎えの高山市長らと固い握手を交わした後、駅の特別室で記者会見。「京都で仕事ができることは大変うれしい」と前置きして、今後の抱負や希望を目を輝かせながら語りました。4日は、朝から早速、京響練習場で初練習。前任者のチェリウスさんとはまた違った持ち味の、若さにあふれた力強い指揮ぶりで、流れる汗を拭おうともせず、1時間ぶっ続けにタクトを振りました。さらに30分休憩ののち、この日は午後4時まで、ドイツ人らしい几帳面さで、入念に初日の練習を続けました。こうして、カウフマンさんの就任披露を兼ねた京響の第38回定期演奏会が、9月28日夜、京都会館第1ホールで華やかに蓋を開けました。会場をうずめた聴衆の割れるような拍手に迎えられたカウフマンさんは、シューベルトの「未完成交響曲」を始め、3曲を指揮。その若々しいエネルギーと豊かなセンスで、聴き入る人たちを魅了し、期待に違わぬ見事な演奏ぶりでデビューを飾りました。