50年目の大遠忌・知恩院、東西本願寺(52-5)

「京都1961年 50年目の大遠忌 京都市広報課」日本の隅々から、そしてさらに、遠く海外からも、続々詰めかける善男善女。50年に1度の大遠忌を参拝するのが一生の願いという人たちが、東から、西から、京都を目指して馳せ参じてきます。知恩院の法然上人750年御遠忌をトップに、次いで、東西両本願寺の親鸞聖人700回大遠忌など、3月4月の2か月にわたって入洛する参拝者は、300万人から400万人と予想され、京都はこれの受け入れ態勢に大わらわです。グループの平均年齢が64、5歳とあって、引率する団長さんの苦心もひとしお。参拝客を運ぶ観光バスも、延べ1万5000台ということです。お寺の前の吹き流しが、遠忌気分を盛り上げます。次から次へと参拝する団体客のため、有線テレビも据え付けられ、本堂の法要に参列できない人たちに見せようという科学的布陣で、テレビに映った導師の姿に合掌する風景も見られました。京都市が組んだ遠忌関係の特別予算は、2163万円。1台50万円という移動式インスタント便所8台も準備されました。仏教の熱が京都の春を彩る、大法要絵巻の1コマでした。

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