京友禅(44-3)

「京都ニュース 京友禅」
京の清らかな水は、京美人だけでなく世界に誇る友禅染を生んだ。友禅染は今から400年前、宮崎友禅斎によって作られた。この名を取って友禅染と言われている。京都東山知恩院にある友禅斎の像。友禅斎の自画像。友禅斎作「猩々」、「下り鯉」、「昇り鯉」。現在の友禅染。手描き友禅は、まず、着物の大きさの生地に、模様付けの下絵描きから始まる。下絵の線に沿って細く糊を置きながら、下絵の形を整える。これは、後で色を挿す場合、他の部分にはみ出さないようにするためのものである。これを糸目糊置きという。色合わせをした後、糸目糊で囲まれた模様の内部に色を塗りこんでゆく。この作業を挿絵友禅という。これが終わると、地染めのため模様を糊で伏せる。伏せ糊は、模様の部分を他の色に染まるのを防ぐためのものである。さて、明治に入り京都中京の廣瀬治助が、型紙写し友禅を考え、ここに俗に言う手捺染が生まれた。型紙友禅は図案家の描く下絵に合わせて型紙を彫る。色彩の複雑なものは100枚以上に及ぶ場合もある。型紙が出来上がるといよいよ型置きである。型紙を生地の上にあてがい、色を含ませた刷毛でこすり色付けする。型紙をすり重ねた後、引き染めするため、のりごま(?)で糊を塗り付ける。これを写しという。引き染めは伏せ糊した上に、生地に地色を染め付け、蒸しが終わり水洗いすれば伏せ糊は流れ、伏せた模様はそのまま地色が染まるわけである。これから後の工程は手描き友禅・手捺染とも同じである。蒸し加工は、染料を生地に染め、色を出し、蒸し箱に入れるため特別に作られた枠に掛け、摂氏100度でおよそ1時間半蒸しが行われる。蒸し箱の天井は水蒸気の冷えた水滴を避けるため、山型になっている。蒸し加工が終わると、防染糊、伏せ糊など糊を洗い落とすため水洗いが行われる。水洗いの後仕上げが終わると、友禅染が出来上がるわけである。長い伝統によって培われてきた紙工(?)技術は、新しい技術と設備を加えて1年の生産高は全国1位150億円にも上っている。その優雅さを誇る京都の友禅は手描きから機械染めまで、世界の市場へ送り出されていく。

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