引退する北野線(明治28年建造、最古の電車)(52-6)
「京都1961年 引退する北野線 京都市広報課」日本で一番古い電車として、観光京都の名物の1つになっている市電北野線。お目見えしたのが66年前の明治28年。車両はその当時から一部改造されただけで、車体は小型の木造。レールも狭く、ほとんど昔そのままの姿で走っています。これが、初めてその姿を現した当時のものです。最初は京都電気鉄道会社の手で、堀川下立売と堀川中立売間を単線で走っていました。それが複線になり、現在のように京都駅まで延びたのは明治45年。これを京都市が買い取って、市電の仲間入りをしたのが大正7年6月でした。この3本レールの上を走る懐かしい北野線が、廃止されることになりました。ご覧のように、この電車は、ほかの市電に比べて定員はおよそ半分。そのため、毎年(音途切れ)悩んでいます。おまけに、旧式なハンドブレーキや、昇降口がオープンデッキになっているので、最近の交通事情に沿わず、いよいよ廃止に踏み切ったわけです。現在、この電車は28台ありますが、小型なので特別に修理工場などを持つ必要があり、維持費や人件費も割高という悪い条件で、35年度の赤字は3800万円ということです。北野線は7月いっぱいで運転をやめますが、8月1日からは、これに代わってバスを運転する計画で準備を進めています。バスになると、北野と京都駅の間でおよそ10分ぐらい所要時間が短くなる見込みです。懐かしいチンチン電車は、こうして一応姿を消すことになりますが、京都市では、日本最古の電車として長く保存する方法もいろいろ考えています。
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