一九五八年新春譜(25-2)
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「京都ニュース 一九五八年新春譜」
一九五八年の新春は好天気に恵まれ静かに明け、市内の各神社は、例年通り初参りに賑わいました。今年の景気は下り坂とのことでしたが、人出は戦後最大。6日には、京都の初春を飾って、京都市、京都市教育委員会および京都吹奏楽連盟の共催で、中学校、高等学校、府警、消防のブラスバンド、17団体300人が市中行進。一行は午後1時過ぎ、市役所前で堂々の野外演奏を行いました。こちらは、またぐっと艶めいた祇園の始業式。7日、祇園歌舞連場に集まったお姉さん達は、今日ばかりは神妙にかしこまって訓示を聞いています。舞妓さん達も、今日は学校法人女紅場の生徒の資格で出席。去年の成績によって、表彰などが行われました。外には、この艶姿をカメラに収めようと、アマチュアカメラマンがひしめいていました。のどかな京の初春風景です。初春風景といえば、昨年暮れからお目見えした、市民憲章いろはかるたがお正月の人気の的。このかるたの文案は市内の小学生から募集したもので、入選は松尾小学校、絵はワダヨシコ先生の作。「いつもきれいな京の町」で始まる市民憲章いろはかるたで遊ぶ良い子たちの明るいお正月です。新春のスポーツは、何と言ってもラグビーの醍醐味。去る8日、午後2時から花園ラグビー場で行われた第10回全国社会人ラグビー大会の決勝戦が、近鉄対京都市役所。当日は、快晴微風の絶好のコンディション、紺一色の方が京都市役所です。試合は、近鉄が重厚なフォワードの押しで京都を迎えました。新鋭京都市役所も懸命に追いすがり、激しい攻防戦を繰り返しましたが、前半3対0、後半9対3、結局12対3で、近鉄は第三回目の優勝を勝ち得ました。