「京都ニュース 夏にひろう 京都市広報課」「黒鉄の 夏の風鈴 鳴りにけり」。私たちの先人は、涼しさを、肌だけでなく心でも捉えてきた。激しさと哀しさを調和させた祇園囃子は、町衆の心意気を現代の若者に脈々と伝え、京童に夏の到来を告げる。1000年の伝統を持つ、鞍馬の竹切り。法師が振り下ろす太刀には、豊作を願う人々の祈りが込められている。星空の下で繰り広げられるドラマ。カクテル光線に浮き彫りにされて、観衆を興奮のるつぼに引き入れる。燦々と降り注ぐ太陽、豊かな水。自然は、我々に生命力を与えてくれる。夏。人も、木も、草花も、大きく、そしてたくましく成長する季節である。
