3.3.1.8.最初期の役者絵本

編著者:鳥居清信〈1〉(画)
判型:大本 2巻2冊(稀書複製会本)
出版:元禄13年(1700)
資料名:風流四方屏風(ふうりゅうよもびょうぶ)
資料番号:hayBK01-0070 所蔵:立命館ARC

 一枚摺の役者絵とは別に、冊子状の役者絵本も重要な役割を果たした。役者絵本は、一枚物の役者絵を集めて冊子体にしたものともいえる、歌舞伎役者を題材とした絵本である。

 本作品『風流四方屏風』は、元禄13年(1700)に江戸の板木屋七郎兵衛から墨摺大本二冊として出版された役者絵本であり、役者絵本の最初期の作品でもある。元禄期に活躍した役者たちの舞台姿を、半丁に一名ずつ描いている。本作では、役者の顔はまだ似顔として描かれておらず、役柄に応じて様式化されている。そのため、画面の上下に記された定紋や役者名によって個人を識別する形式となっている。

 また、清信自身による序文からは、本書が鳥居派の様式を定義づけ、それを世に広めるための絵手本のような意図をもって企画されたことがうかがえる。役者絵本はこのように、役者の姿を一冊に集め、歌舞伎役者をまとまった形で見せる出版物として始まった。(宮﨑・戸塚)

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