B2-3 水虎
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書名:『今昔続百鬼 』巻二
作者:鳥山石燕
書型:半紙本3巻1冊
出版:文化5年(1808)
所蔵:The British Museum(BM-JH533)水虎は、川や湖に棲むと言われる妖怪である。河童と似た存在であるが、河童とは違い頭に皿がないことが特徴である。
明白な指の本数は分かっておらず、水掻きがある。しかし、河童よりも恐ろしい存在であった。河童は人間を殺害することはないが、水虎は人間を殺害することもあった。水遊びをしている子どもを水に引きずり込むことや人間の生き血を吸い、人に憑りつくこともあったという。もしも、水虎に殺害された死体が出たら、板に乗せ畑の中の草庵(藁葺の小屋)に安置し、遺体を腐敗させると、死体が腐敗しきった時に、殺害した犯人の水虎も同時に死ぬという。
水虎は、もともと中国の湖北省の妖怪であったとされており、三、四歳の子どもの姿をしていたという。
また、青森県や長崎県、琵琶湖付近で主に生息していたという。(榎並)参考文献
草野巧『幻想動物事典』、 新紀元社、1997年