B2-4 河童
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書名: 『画図百鬼夜行 前編 陰』巻一
作者:鳥山石燕
書型:半紙本3巻3冊
出版:安永05年(1776)
所蔵:The British Museum(BM-JH533)河童は日本各地の川、海、湖沼などに棲む妖怪である。関東地方以外では猿猴(えんこう)メドチ、ガワッパなどの呼び方もあり、それぞれに個性がある。一般的な河童は、おかっぱ頭の童子の姿で頭の上に皿があり、その皿には水が入っており、その水がなくなると死ぬと言われている。指は三本で、水掻きがある。水虎とは違い、両腕が一本に繋がっていて、片方に引っ張るとスポンと抜けてしまう。いたずら好きな性格で、子どもを川にひっぱり込むことや、人の肛門にあると想像された玉の尻子玉(しりこだま)を抜くなどとも言われている。しかし、人間を殺害することはなく、あくまでもいたずらをし、脅かすといったことしかしないとされている。好物は、きゅうりや瓜。逆に苦手なものは、鉄製品や刃物、植物のタデ、鹿の角、仏壇に供えたお仏飯と言われている。
また、特定の地域に生息していたわけではなく、日本各地に生息していたと言われている。(榎並)参考文献
草野巧『幻想動物事典』、 新紀元社、1997年
小松和彦『日本怪異妖怪大事典』、東京堂出版、2013年