H2 五代目半四郎の道成寺.
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作品名:「京かのこ娘道成寺」
出版:文化5年(1808) 頃
絵師:勝川春亭
判型:大判錦絵
所蔵:立命館ARC(shiUY0106).5代岩井半四郎と3代中村歌右衛門の二人が出演した娘道成寺の上演は確認されていない。そのためこの絵は、もしこの二人が共演したらという見立絵と考えられる。
白拍子の姿をした5代岩井半四郎は、ぱっちりした目と受け口が特徴的な美貌、華やかな芸風と歯切れの良いせりふ回しで、女方の第一人者であった。3代中村歌右衛門は小柄で容姿も優れなかったが、抜群の演技力で様々な工夫を凝らし、時代、所作事などのどんな役でも演じた。
歌右衛門が白拍子を演じた娘道成寺の上演は確認されている。しかし半四郎の白拍子は確認されていない。半四郎の演じる白拍子を見たいと思う人がいたからこそ、この作品が描かれたのではないだろうか。(堀)
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