G4 白浪五人男勢揃い.

作品名:「白浪五人男の内」
上演:明治7年(1874) 11月 東京・守田「白浪五人男」
絵師:安達銀光
判型:大判錦絵 5枚組
所蔵:立命館ARC(arc8259~8263).

弁天小僧の後半の名場面、稲瀬川で日本駄右衛門率いる白浪五人男がそれぞれに名乗りをあげる名シーン。各作品の背景の崩し字はそれぞれの名乗りを文字化したものである。五人男が身に着けている衣装は忠信がキジ?ともみじ、南郷が龍と稲妻弁天小僧が蛇と菊、赤星が鶏と桜、駄右衛門はリーダーだからだろうか、五人男の名前と同じ白浪と錨模様の衣装を身に着けている。この動物と花という柄の組み合わせは他の作品にもみられるのだが、組み合わせやまとっている人物が全く異なっているため誰がどの衣装を着るという一貫した規則はなかったのだろうと考えられる。また、よく見てみると刀の鞘も一人一人色が違うことにも気づく。色鮮やかな衣装で口上を述べていく五人男に当時の観客は酔いしれたことであろう。(住宮)