G5 五人男の捕物の場 組立絵

作品名:「白波五人男 鎌倉極楽寺山門之場 組上ゲ」
出版:明治35年(1902) 東京・牧金之助
絵師:梅堂小国政
判型:大判錦絵 5枚組
所蔵:立命館ARC(arcUP5617~5621).

明治35年に出版された、比較的新しい見立絵で、白狼五人男が捕手と稲瀬川で戦う場面。しかし本作品は、これまでの作品とは一風変わった特徴がある。この作品のジャンルは役者絵とも言えなくはないが、玩具絵、それも組立絵に該当するであろう。組立絵とは現在のペーパークラフトに近く、1枚の紙からパーツを切り抜き、設計図に沿って立体的に作り上げるというものである。上方では立版古とも言われていた。組立絵の対象は主に当時の子供たちであることが多く、この作品も5人男の捕手が舌を出しているなどコミカルなタッチの絵となっている。腕や足と胴体のバランスが明らかにいびつなのも完成形が立体である組立絵ならではである。(住宮)