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C00 御所

 洛中で最も大きな緑地帯となっている京都御所は、室町時代以来その場所は変わっていない。現在までに何度かの改修築・新造営をみた。現在の内裏は120年前のものであり、今回展示している浮世絵は、成立年代の景観を描いていると考えれば、現在の御所の改修後、間もなくの姿と言えよう。
 このうち紫宸殿と一緒に、正面階段の左に配置されていた左近の桜が描かれている(右側には、右近の橘がある)。また、内裏・紫宸殿の建築物のみではなく、能・蹴鞠といった行事も描画されており、当時の皇族・公家の文化をうかがい知ることができる。(塚本)