●後見

舞台上で、演者のさまざまな補助をする。シテ方から勤めるのが基本で、後見座とよばれる囃子方の後ろに座る。通常は二人で、ときとして三人になることもある。
シテになんらかの問題が起り、続行することができなくなったときなどに、代役として演ずることが大きな仕事であるが、シテの装束を直したり、作り物の引き回しなど、進行の手伝いをする。
ワキ方、狂言方、囃子方にも後見がつくことがある。

●片幕(かたまく)

揚幕の開け方の一つで、囃子方、後見、アイなどが登退場する場合に、揚幕の片端をあけて出入すること。
⇒本幕

●謡講(うたいこう)

座敷に聴衆をあつめて、素謡を披露するために催される会のこと。京都では、立って舞う仕舞よりも、素謡が盛んで、「京観世」という謡い方があったほどである。
現在、素謡は、聴衆の前に出て謡うが、謡講では、謡い手が障子や御簾の内で謡うものである。

●修羅物

原則として複式の形をとる。
源平の武将が死語、修羅道に堕ち、修羅の苦患に堪えかねて、往来の僧に成仏をもとめるもの。