No.30


No.30  竹苞楼秘録(ちくほうろうひろく)
竹苞書楼所蔵
宝暦~文化頃(1751~1817)  半紙本1冊

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『竹苞楼大秘録』と同じく初代佐々木惣四郎春重の筆による記録。対象とする書物は『竹苞楼大秘録』と重なるが、主に各書物の刊行前後の手続きが記録されている。特に、個々の書物の内容に関して、誰がどんな点について異議を申し立て、その紛議をどのように治めたのかという記録が豊富に含まれているのは興味深い。重版(じゅうはん)(海賊版)や類版(るいはん)(模倣品、一部剽窃など)という問題に版元がいかに向き合っていたかが浮び上がる好資料である。展示箇所はNo.21に出品した『太平遺響』の上ケ本に際して行事から指図を受けた際の記録。