No.22


No.22A  加之久全伝香篭草(かしくぜんでんかごめぐさ)
奈良大学博物館所蔵(N0059)
巻:一  丁付:四・(色版)
横30.5×縦20.4×厚2.2cm

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No.22B  加之久全伝香篭草(かしくぜんでんかごめぐさ)
奈良大学博物館所蔵(N0060)
巻:一  丁付:二十五・二十六
横31.0×縦20.7×厚2.1cm

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No.22C  加之久全伝香篭草(かしくぜんでんかごめぐさ)
奈良大学博物館所蔵(N0061)
巻:二  丁付:十一・十二
横30.5×縦20.7×厚2.1cm

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No.22D  加之久全伝香篭草(かしくぜんでんかごめぐさ)
立命館ARC所蔵(hay02-0219)
文化8年(1811)  半紙本6冊

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藤井文政堂旧蔵の版木の中には、展示品の他にも『名技伝(めいぎでん)』、『復讐曠世奇談(かたきうちこうせいきだん)』、『謡曲春栄物語(ようきょくしゅんえいものがたり)』、『絵本国姓爺忠義伝(えほんこくせんやちゅうぎでん)』など読本(よみほん)の版木が多数含まれており、その数は凡そ70枚ほどである。文政堂は主版元としても読本を刊行しており、出版活動の上で重要な位置をしめていた。『加之久全伝香篭草』は、文化期に江戸で出版された読本で、No.22Aはその口絵の版木である。口絵は本文に先だって巻頭にある挿絵で、上方では色刷りのものもあるなど趣向を凝らして描かれる場合が多い。版木の丹念に彫られた線から当時の彫師の技量が鑑賞できる。