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No.12


No.12  怡顔斎蘭品(いがんさいらんひん)
奈良大学博物館所蔵（T0685）
明和9年（1772）  丁付：（題簽）・（刊記）・序一・序二  
横79.3×縦21.3×厚2cm（大本）

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展示品は、刊記を入木によって修訂した事例。官許年月と刊行年月を記した箇所全体が入木で、さらに官許の「月」と刊年月の「六」が入木。刊行が予定より何ヶ月か遅れたと思われる。『竹苞楼大秘録』『竹苞楼秘録』によれば、『怡顔斎蘭品』は別の版元が刊行する予定で官許を得たが、刊行しないまま廃業、宝暦6年（1756）5月に佐々木惣四郎が版権を買い請けた後も、何らかの事情によって、刊行まで実に16年以上の年月を費やした。入木に入木という処置は、刊行直前まで続いた迷走ぶりを反映しているのであろう。

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