No.06


No.06A  装束指掌図(しょうぞくししょうず)
奈良大学博物館所蔵(T2375)
享保元年(1716)  
横48.4×縦36×厚1.7cm

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No.06B  装束指掌図(しょうぞくししょうず)
奈良大学博物館所蔵(T1912)
享保元年(1716)
横47×縦12.5×厚1.5cm

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展示品は書籍の体裁をとらず、1枚の紙に印刷された出版物「一枚摺(いちまいずり)」の事例。展示品の場合、No.06Aの上部にNo.06B下部の臍(ほぞ)状の突起を挿し込むことで1つの版面を構成する。高価な1枚板が必要ないためコストダウンが可能であり、部位ごとに彫りを分担できる作業効率の良さから、この手法が用いられたと思われる。展示品の内容は有職故実(ゆうそくこじつ)であるが、広告や興行番付などの場合、臨機応変に情報を入れ替える必要もあり、ほとんどの一枚摺は複数の版木を組み合わせることによって成り立っている。展示品は2枚の板を組み合わせているだけだが、歌舞伎の辻番付(つじばんづけ)では20以上の木片を組み合わせた事例も報告されている。