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紙が濡れない

裏打ちをすると、本紙のサイズが若干大きくなってしまうことに悩んでいました。
そもそも、水分によって紙が伸縮することは知っています。
でもどのくらい伸縮するのか?と言われるとはっきりわからない。
よし、その現場をつきとめよう。
まずは伸縮のわかりやすい方眼紙を使って調べることにしました。
ところが…
方眼紙に水をかけるも、濡れてくれない。


補修用和紙だと、すぐに濡れるのに。

なぜ??

 

濡れない和紙があります。
浮き絵や日本画に使われる紙は、絵の具が滲んでは困るので、礬砂をひきます。
仮張が良い例です。
仮張を作る際、和紙にたっぷりと礬砂引きしました。

強度も増して、表面も均一になります。

そう、洋紙にも滲み止めがしてあるのです。
本やノートなどの印刷、インクが滲んでは困りますから。
サイジングと言います。
ただ洋紙の場合、礬砂ではなくて松脂=ロジンを加えるのだそうです。

「サイズ剤」とはペン書きや、印刷するときのインクの滲み防止剤のことですが、
抄紙機(しょうしき)の発明以来、現在も広く松ヤニから作られるロジンが
使用されています。ロジンはそのままでは紙に定着しにくい性質のため、
定着剤として「硫酸バンド(硫酸アルミニウム)」を用います。この硫酸に
よって紙が酸性となり、年月と共に紙の繊維が焼けてぼろぼろになってしまうのです。
(日本製紙株式会社HPより)

このロジンのせいで濡れなかったのです。
では濡らすにはどうしたらよいか?
次回に続く。

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