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26日の日記訂正!!

ふと方眼紙のパッケージを見たときに
「王子製紙特抄中性再生紙使用」と書かれた文字が目に入りました。
25日の日記に書いた日本製紙の説明をもう一度読みます。

「サイズ剤」とはペン書きや、印刷するときのインクの滲み防止剤のことですが、
抄紙機(しょうしき)の発明以来、現在も広く松ヤニから作られるロジンが
使用されています。ロジンはそのままでは紙に定着しにくい性質のため、
定着剤として「硫酸バンド(硫酸アルミニウム)」を用います。この硫酸に
よって紙が酸性となり、年月と共に紙の繊維が焼けてぼろぼろになってしまうのです。

ロジン+硫酸バンドが使われるのは、酸性紙のみ?
中性紙や中性再生紙は何が使われるのでしょう?

また同じHPを引用します。

硫酸バンドを使用しなくても定着性のある「反応性サイズ剤」や、
硫酸バンドを使用しつつも中性に近い条件で働く「中性ロジンサイズ」といった中性サイズ剤が
開発されてきています。
こういったサイズ剤を使用することで紙が中性となり、繊維が劣化せず長い間の保存が
可能となります。

また紙には「填料(てんりょう)」とよばれる粉の成分を添加することで、
不透明性や表面の滑らかさを向上させています。
酸性紙では泡が発生してしまうため使用できなかった炭酸カルシウムを
填料として使用できることで、中性紙では白さや不透明性が一段と向上しています。

サイズ剤には、AKD(アルキルケテンダイマー)やASA(アルケニル無水コハク酸)などが
使用されているそうです。
ロジンではなかったのです!!(中性ロジンサイズだったら別ですが)
ということは、「松脂がアルコールに溶ける」=「紙が濡れる」とはならないのです。
偶然アルコールで濡れたとでもいうのでしょうか?
わからないので、yahooで「水  濡れない  紙」で検索をかけてみました。
そこで一番にヒットしたのが有限会社 資料保存器材のページです。

ちり紙のようにすぐに水に濡れる紙があれば、撥水剤でもあるサイズが効いていて、
なかなか濡れない紙もあります。一方、水は決して相手をすぐに濡らしてくれる液体では
ありません。コンサベーションで使う各種の液状の薬剤の表面張力と比べれば、
水はいかに相手を濡らすことの不得手な液体かがわかります。
とありました。また、
資料が水にもアルコールにも耐えられることを確認できたら、水とアルコール(エタノールやイソプロピル・アルコール)との混合溶液に資料を浸します。水よりもずっと表面張力が下がった溶液はすみやかに資料を濡らし、繊維の奥深くまで高速道路を一気に通します。
と書かれていました。
つまり、水よりも表面張力の小さい液体を紙にかけることで、「水のための高速道路」が作られるというのです!表面張力…考えも及びませんでした。
水が72.75mN/mであるのに対し、アルコールは22.55mN/mだから、
松脂を溶かすことに気をとられていた私が、たまたま用いたアルコールで紙を濡らすことができたわけです。
なるほど、納得できました。
26日の日記の結論を、ここで訂正いたします。

「中性紙」と「中性再生紙」の違い、
「中性サイズ剤」も気になりますが、次回に調べたいと思います。

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