酔翁亭記

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すいおうていのき


画題

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解説

東洋画題綜覧

酔翁亭記は欧陽修の作で『古文真宝』に載するところ、欧陽修、滁州の守護であつたとき、亭を建て酔翁亭と名付けた、これはその記で、欧陽修時に三十九歳であつたといふ。

     酔翁亭記     欧陽永叔

環滁皆山也、其西南諸峰林壑尤美、望之蔚然而深秀者琅琊也、山行六七里、漸聞水声、潺潺而瀉出于両峰之間者醸泉也、峰回路転有亭、翼然臨于泉上者、酔翁亭也、作亭者誰、山之僧智僊也、名之者誰、大守自謂也、大守与客来飲于此、飲少輒酔、而年又最高、故自号曰酔翁也、酔翁之意、不在酒、在乎山水之間也、山水之楽、得之心而寓之酒也、若夫日出而林霏開、雲帰而巌穴瞑、晦明変化者山間之朝暮也、野芳発而幽香、佳木秀而繁陰、風霜高潔水落而石出者山間之四時也、朝而往、暮而帰 四時之景不同而楽亦無窮也、至於負者歌于塗、行者休于樹、前者呼、後者応、傴僂提携、往来而不絶者、滁人遊也、臨渓而漁、渓深而魚肥、醸泉為酒、泉香而酒冽、山肴野蔌、雑然而前陳者太守宴也、宴酣之楽、非糸非竹、射者中、奕者勝、觥籌交錯、起坐而諠嘩者衆賓歓也、蒼顔白髪頽乎其中間者、太守酔也、已而夕陽在山、人影散乱、太守帰而賓客従也、樹林陰翳鳴声上下、遊人去而禽鳥楽也、然而禽鳥知山林之楽而不知人之楽、人知従太守遊而楽而不知太守之楽其楽也、酔能同其楽、醒能述以文者、大守也、太守謂誰、廬陵欧陽修也。  (古文真宝)

その欧陽修の『蒼顔白髪頽乎其中間者大守酔也』の文字により、酔て亭中に臥する処好個の画題であり、梁楷にその作ありといひ又、世に行はるゝ李白大酔の中には、此の酔翁亭記を画いたものも多いが、誤つて李白大酔と称せらるゝに至つたものもある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)