西郷と豚姫

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さいごうとぶたひめ


総合


歌舞伎

戯曲、一幕。池田大伍作。初演は大正六年(1917)五月無名会。後十一年二世実川延若が演じて以来、彼の得意の演目となった。 京都三本木の揚屋の仲居居お玉は、大女で豚姫とあだ名されている。彼女は倒幕に奔走している西郷吉之助に恋している。幕府方に追われ、しばらくぶりでお玉の許を訪れた西郷は、お玉の恋情と、その恋のとげられぬ為に死を決していることを知る。彼もその主張が藩主に容れられず、お玉と共に死を決するが、かけつけた大久保(利通)は、藩主の意見が勤王に傾いたこと、西郷は藩命をになって江戸への密使を命ぜられたとつげる。生きる道のひらけた西郷は、お玉に江戸への旅費の大半を与え、呆気にとられる彼女と大久保をあとに出て行った。