耕作

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こうさく


画題

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解説

画題辞典

「しきかうさく」(四季耕作)を見るべし。

単に耕作と題して画ける作の知られたるものに、大久保子爵所蔵狩野永徳筆あり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

田畑を耕し、五穀蔬果等を作ること、我が国では肇国の昔より農を以て国の基とする処から耕作は神聖なる業とせられ、支那に於ても神農氏これを伝へたといふ伝説があり耕作のことも早くから発達したので絵画などにもよく画かれてゐる、狩野一渓の『後素集』に耕作之次第十七項を挙げてゐる曰く

浸種之図 種を水に付る。

作埂之図 種子をまき其上に土をきせる。

犂田之図 からすきを以て田をかへす。

翻耕之図 田をかへしたるあとをならす。

耙田之図 馬鍬にて田をこまかに又ならす。

壅田之図 田に糞をおく。

撒灰之図 田の少々生出たる時灰をかくる。

是は諸鳥に稲を食すまじきため也、なるこなどもかく也。

挿蒔之図 田を植る体。

穫苗之図 是田を植て後、草をとる前、稲の根をさぐりて水より内などに有る草をとる。

車水之図 竜骨車にて田へ水を入る。

耘田之図 田の車をとる。

割稲之図 田を刈る体。

打稲之図 いねをこく体。

礱米之図 すり礱にてもみをする体。

篩米之図 箕にて米を簸る。

上倉之図 米ををさむる体也。

歓飲之図 飯にして食する体也。

かうして民に勧農の気風を鼓吹する為め古来絵画に図するもの多く、支那では宋高宗の時天下に勧農の令を発し、楼璹といふもの耕織四十図を描き之に詩を題して上進したことがある、耕作図等の世に行はるゝに至つた初めとでもいふべきであらう、耕作図の世に有名なもの左の諸点がある。

久隅守景筆   六曲一双(重美)  浅野侯爵家蔵

椿椿山筆        (重美)  中野孝次氏蔵

狩野常信筆             池田侯爵家旧蔵

狩野探雪筆   『耕作絵巻』    同

伝狩野元信筆            京都宗仙寺蔵

狩野元信筆   襖絵  (国宝)  京都大仙院蔵

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)