浄瓶踼倒

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じょうへいとうとう


画題

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解説

東洋画題綜覧

百丈禅師巌上に座し、潙山霊祐花瓶を蹴散らしたる図の題、司馬頭陀は和人、かみ有てひげなし。  (後素集)

潙山霊祐初め百丈禅師の会下にあつて典座たり、会々司馬頭陀来り百丈に会し、項日湖山に一山を尋得た、大潙山といふ、是一万ニ千五百人の善智識を容るべき処と、百丈曰く、老僧住し得るや、頭陀曰く、和尚の居ではない、百丈曰く、吾が衆中住し得るものあるや、陀曰く、これを観やうと、百丈時に第一座の華林覚を招く、頭陀曰く、不可と、次に霊祐を呼ぶ、頭陀曰く、これ正に潙山の主と、百丈、其夜霊祐を召し潙山の勝境、汝当に居つて我が宗を継続せよと、然るに華林覚之を聞き、某甲泰なり上首に居る、将に住持を与へよと、丈曰く、若し能く衆に対し一語を下し得て出格ならば与へやうと、浄瓶を指し問て曰く、喚で浄瓶となすことを得ざれば汝喚で什麼とすと、林曰く、木☆(木偏+突)となすことに出来ない、百丈更に霊祐に問ふ、霊祐、浄瓶を踼倒して出で去る、百丈笑て曰く、第一座山子に輸つたと、後、霊祐潙山に入り、数年間百獣の中に苦行し遂に比の霊山を拓き、天下の禅林となる、潙山禅師の名、これより漸く高い。

狩野元信の作、京都竜安寺及東京帝室博物館にある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)