洛神賦

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らくしんふ


画題

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解説

東洋画題綜覧

『洛神賦』は『文選』に載するところ、曹植の文である、魏の曹操の第三子で、文帝の弟である陳思王曹植は嘗て甄逸の女を垣間見、恋々の情黙し難くこれを求めたが、曹操許さず却つて五官中郎将に与へたので、曹植心中甚だ平かでなかつた、黄初中入朝したとき、文席は植に甄后の玉繰金帯の枕を示した、甄后は曹植の思ひをかけた女で後ち後宮に入つたのであつた、植はこれを見て一層心が暗くなり、将に洛水に息はんとして不図甄后を思ひ、遂に感甄賦を作つた、明帝之を見、改めて『洛神賦』と名付けた、蓋し洛神とは宓犠氏の女宓妃が洛水に溺死したのを祀つたもので、曹植は甄后を以て宓妃になぞらへたのである。

『洛神賦』を画いたものとしては有名な顧愷之の作があり、女史箴図巻と共に聞えてゐる。      

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)