毛延寿

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もうえんじゅ


画題

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解説

東洋画題綜覧

支那前漢時代の画家、人物をよくす、元帝女色を好み、後宮の女官を引見することが出来ぬので、画工をしてその像を画かしめ、これに依つて選んだ、そこで女官は、画工に贈賄してその美しく描かれんことを望んだ、毛延寿も時の画家の一人であつたが、王昭君が賄を贈らなかつたので、毛延寿が美しく画かなかつたばかりに王昭君は匈奴に送らるゝ身となつた、帝、王昭君の容姿を見て、これを惜しむこと甚だしく、その絵姿を探した処、それは似てもつかぬ顔だつたので初めて不審を懐き、調べて見ると画工の不正が悉く暴露し、毛延寿も遂に捕へられて重刑に処せらるゝに至つた。

その官女の姿を写すところ、また面白い画題である。

毛延寿明妃図 毛延寿前漢人、漢帝の官女の姿を画く体、王昭君が姿を悪く画なしたると也。  (後素集)

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)