権上

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ごんじょう


総合


歌舞伎

原名題は「其小唄夢廓」、清元舞踊劇。福森喜字助作。文化十三年(1816)七世市川団十郎(権八)と三世尾上菊五郎(小紫)とで初演した。白井権八と三浦屋の小紫とを扱ったもので、上下三幕に分れ、俗に「権上」「権下」と区別する。 上は、人殺しの罪で捕えられた権八が、処刑のため鈴ケ森にひかれる。そこへ廓を抜けた三浦屋の小紫が駆けつけ、役人の慈悲で別れの水盃をすると見せて、縄を切って助ける。とこれは夢で、権八が吉原の駕籠のなかでみた夢物語だった。さみしい処刑の場から、一転して華やかな吉原に変る場面の変化、また美男の権入の因人姿の哀れさと、吉原通いの華やかさとの対照が、舞台効果をあげる。 「権下」は、小紫が権入の前髪を切り、姿をかえて廓から落してやるという場面。