梔子花

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くちなし


画題

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解説

東洋画題綜覧

梔子花は茜草科の常緑灌木で、茎の高さは六七尺に上り、葉は対生で長楕円形、全体に光沢あつて美しく、葉と葉柄の間に小さい托葉がある、花は七月頃開き、大きな六弁で蕾の時は朝顔のやうに綯れて居り、開くに従つて馥郁たる香気を発する、七月が最も見頃で一幹に数十輪開く、かくて開き終れば雪白の弁はやゝ黄色を帯び来り音もなく散る、元来、支那の原産であるが稀に九州地方に自生を見る、秋になると実を結ぶ、細長い筒形で内部は九房若しくは七房に分れ房と房とは強い六本の繊維で繋がれてゐる、梔子花といふ名は此の実から来てゐるので、梔子花の巵は酒器のこと、重弁のものもあつて、これを玉楼春と呼ぶ。  (花と芸術)

     梔子     宋 朱淑真

一根曽寄小峰巒、薝蔔香清水影寒、玉質自然無暑意、更宜移就月中看。

     同      同 蒋梅

清浄法身如雪蛍、肯来林下現弧芳、対花六月無炎暑、省爇鋼匜幾炷香。

梔子花を画いた名作

徽宗皇帝筆  『梔子小禽図』   広岡家旧蔵

狩野松栄筆  『梔子叭々鳥』   帝室博物館蔵

狩野芳崖筆  『梔子薔薇双幅』  毛利家旧蔵

呂紀筆    『四季花鳥図』   島津公爵旧蔵

画題としては、沈丁花茉莉花と共に『梵侶図』に加へられ、『名花十友』には禅友に『二十客』には禅客とされ、また七香の一に数へられる。各項参照。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)


梔子花は和名『くちなし』支那原産の常緑灌木、葉は革質にして厚く、初夏六弁白色の花を開く、芳香を放つ、秋結実し、黄色の染料に用ひらる『禅客』と称し、八重を玉楼春といふ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)