桐一葉

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きりひとは


総合


歌舞伎

坪内逍遙作。明治三十七年(1904)、中村芝翫、後の五世中村歌右衛門(淀君)、片岡我当、後の十一世片岡仁左衛門(片桐且元)らによって初演された。 作の発表は明治二十七年、当時流行していた活歴劇を、情味乏しく内容空疎と感じた作者が、国劇の刷新の意図で書いた新史劇。歌舞伎脚本の形式のなかで、シェークスピヤ劇の影響その他による新しい作意を生かした名作で、この上演により団菊没後の沈滞した歌舞伎界の更生に大きな力となった。 所は豊臣家の表運が日にみえてきた冬の陣直前の大阪城内で、年若い秀頼を中心に嬌慢な淀君、豊臣家の存続に肝胆を砕く片桐且元、誠忠無二の木村重成、直情径行の石川伊豆守など、これにオフィーリヤにも似た可憐な少女蜻蛉と、白痴の少年銀之丞のエピソードをからませて描いた、雄大な境遇悲劇である。その続篇として夏の陣における大阪落城を扱った「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」がある。