大森彦七

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おおもりひこひち


総合


歌舞伎

解説

南北朝時代、足利方の武将。湊川に楠正成と戦い、その首級を挙げた功で恩賞を受け、その祝に猿楽を催すため、会場へ急ぐ山道で美女に逢い、難路になやむこの女を背負って流れを渡る時、女は突然悪鬼に変じて襲いかかった。武勇で一旦は追い払ったが、この悪鬼は楠正成の怨霊による変化で、彦七が入手した正成の遺刀菊水の宝剣を奪い返すためその後も彦七をなやました話が『太平記』巻二十三に見える。この悪鬼に変じる美女を背負う場面が画題に採られ、浮世絵の武者絵でもよく描かれている。また明治になり、福地桜痴の脚本で九世市川団十郎の演じた『大森彦七』も新歌舞伎十八番として著名。これを描いた明治錦絵もある。

(分類:武者)

図様

女を背負い山路を行くときに、女の形相が変化したのに気付き彦七がじっとにらむ様子をえがくもの。また、川面にうつった鬼の顔をじっとにらむ様子を描く物がある。後者は彦七の領地であった愛媛の鏡川の由来にちなんでおり、愛媛で伝わっていた伝説をふまえたものと考えられる。江戸後期から明治にかけては女を背負い、川中を行くところに川面に鬼の形相がうつる、といった構図に変化していく。

用例(作業中)

用例
Date Object type Title artist collection
1770 illustrated book Guncho gaei 群蝶画英 Suzuki Rinsho (鈴木鄰松) BM
1686-1764 print Ômori Hikoshichi and the Streetwalker (Ômori yotaka) Okumura Masanobu 奥村政信 MFA
1721 illustrated book Illustrated Models of Warrior Valor for the Ages (Banzei buyū ekagami) Ooka Michinobu 大岡道信 Tokyo Metropolitan Library
1686-1764 print Untitled Warrior print Katsukawa Shunsho 勝川春章 AIC
1773 actor print Omori Hikoshichi Torii Kiyonaga 鳥居清長 AIC
1736–1787 Tsuba Tsuba with design of Omori Hikoshichi carrying a witch Hamano School MFA
1775 actor print Oyafune Taiheiki 親船太平記 Katsukawa Shunko 勝川春好 CBL
1830s prints Omori Hikoshichi Utagawa Kunisada 歌川国貞 private collection. Ebi0112
1830s prints Omori Hikoshichi Utagawa Kunisada 歌川国貞 MRAH
1847-52 print Omori Hikoshichi Utagawa Yoshikatsu 歌川芳勝 V&A
1884 print Omori Hikoshichi Yoshu Chikanobu 楊州周延 Waseda Theatre Museum

義太夫常磐津による舞踊劇福地桜痴作。明治30年(1897)、明治座で九世市川団十郎(大森彦七)、市川女寅(千早姫)によって初演された。楠正成の娘千早姫は大森彦七を父の仇と誤解し、般若の面を冠って討とうとする。彦七は正成最後の模様を語って誤解を解ぎ、菊水の宝剣を与えて帰す 団十郎が傾倒した活歴劇の一つで、劇的部分が多い舞踊劇。新歌舞伎十八番の一つになっている。   


画題

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